「なぜ、上流の水の流れは透明なのか」
―河川上流中流の土砂流下と堆積の規則性を考える―
第6章の写真と説明
2024/05/25 一部訂正.
第6章 第1節 「土石流と渓流の形成」
図1 2009 年 春木川
図2 2009 年 春木川
*図1、図2共に、土石流の後約10年後の様相
図3
2001年
早川上流 上流を望む
*右岸も左岸も、木々の茂りがほぼ水平に連続しています。左岸ではそれが二段あるのも見る事が出来ます。右岸では、その崖面に多くの石や岩が露出しています。
図4 2001年 早川右岸
図5 2001年 早川右岸
*図4、図5は、南アルプス邑野鳥公園カワセミ橋上流側に長く連続した土砂堆積です。図5が上流端近く、図4が下流端近くで、その距離は数百mに及んでいます。いずれも図3よりも石や岩の大きさが小さくその量も少なくなっています。なお、反対側左岸は長く続くコンクリート護岸です。
「奇妙な段丘」
図6 2010 年 大井川支流寸又川
図7 2010 年 大井川支流寸又川
*大きな屈曲部内側の段丘の全景
*同じ段丘の上部の様子
図8 2010 年 大井川支流寸又川 右岸
図9 2010 年 大井川支流寸又川 手前は左岸
*図8は砂に埋まった巨大な流木です。
*図9は、奇妙な土砂堆積の全景で、下流側からの写真です。左岸側の石や岩の大きさと量に注目して下さい。
図10
2010年
大井川支流寸又川
*図 8、図9の奇妙な土砂堆積のすぐ下流側にある土砂堆積の丘で、図9の左岸の下流側です。ここでは上流ほど石や岩の大きさが大きく、下流側ほど小さくなっています。
「奇妙な段丘が出来た訳」
図11 2011 年 大井川支流 寸又川
図12 2011 年 大井川支流 寸又川
*左岸岸辺の崩壊斜面の様子。
*崩壊斜面の周囲と下流側の淵の様子。
第2節 「ダムの放流による弊害」
*以下、図13から図19までの7枚の写真は、撮影角度が少しずつ異なりますが、全て同じ場所です。この場所は広い河川敷がある屈曲部の左岸で、強い水流が直接当ります。
*図13は2005年、図19は2023年ですから、18年間に亘るこの場の岸辺の変化を明らかにしています。
図13 2005 年 早川 西山温泉上流
図14 2012 年 早川 西山温泉上流
*図13の場所にはコンクリート護岸がありますが、最初の撮影の時点で、川床は既に2m以上低下しています。
*図14 では、左岸にあったコンクリート護岸が完全に崩壊しました。
図15 2017 年 早川 西山温泉上流
図16 2019 年 早川 西山温泉上流
*図15では、崩壊した護岸の破片も全て流失しています。
*図16では、大きな石や岩が流失しただけでなく、中央の岸壁が少し崩落しました。
*上記4つの図では、右岸の赤茶色の巨石に注目して下さい。
図17 2023年 早川 西山温泉上流
図18 2023年 早川 西山温泉上流
図19
2023年
早川 西山温泉上流
*上流側から見た現場の様子。
*崩落は二箇所で、下流側が岸壁の下部崩落、少し上流で斜面全体の大崩壊が生じました。崩壊は上を走る幹線道路にまで及びました。中央右側に少し見える赤い石の先端に注目して下さい。
*大崩壊は、2020年から2022年までの間に発生しましたが、正確な月日は承知していません。
*上記した岸辺の浸食や崩壊は、少し上流にある「西山ダム」の放流に起因していると考えています。これより下流でも川床の低下は甚だしく、以前に川底が多くの石や岩に覆われていた場所でも岩盤が露出している場所が何ヵ所かあります。
*「西山ダム」は小さな規模で、貯水池も多くの土砂で埋まっています。ダム下流側の普段の水量は少なく至る所で徒渉が可能な状況ですから、大規模な増水が幾度かあったとしても、それだけでこれら一連の激しい浸食が発生する事は考えにくいのです。
*この現場より数百m上流には乗用車ほどの大きさがある巨石が幾つかあり、それらも時々移動しています。
第2節 「ダムの放流、第四の問題 取水堰からの放流」
図20 2009年 寸又川支流 横沢川
図21 2004年 早川支流 黒河内川
*図20 と図21は、共に、上流に取水堰堤があり荒廃した河川敷の様子です。
第4節 「小規模発電および新たな取水方法」
図22 2021年 富士川支流 波木井川
図23 2023年 富士川支流 栃代川
*図22 自然の荒瀬を利用して、荒瀬の上流部に取水口を設置しています
*図23 自然の淵尻(自然の瀬頭)に、自然と人工の巨石を配置して取水口を確保しています。通常の水流にも増水時の水流にも影響を与える事無く、土砂の流下も妨げていません。全体の構成は「山田堰」に似かよっています。